EBWとは(Electron Beam Welding)
高真空中でフィラメントから発生した電子を、光のおよそ2/3の速度に加速・収束させて溶接部に衝突させることで生まれる衝撃発熱を利用した、深く細いシャープな溶込みが得られる溶接方法です。真空中で溶接を行うため酸化や窒化など大気からの汚染がなく、薄板から厚板まで、歪の少ない高品質な溶接が可能です。
特長
- 開先を取る必要がなく突合せのみでよいので、歪みの少ない高精度な溶接が短時間で可能
- 厚板から薄板まで欠陥の少ない溶接が1パスで可能
- 入熱が小さく冷却速度が早いため、溶接部・熱影響部ともに結晶粒の粗大化を抑制できる
- エネルギー密度が高いため、ニオブ・モリブテン・タンタル等高融点材料の溶接が可能
- 銅の厚板が予熱なしで溶接可能
- 真空中で溶接を行うため大気からの汚染がなく、チタン・マグネシウム・アルミニウム等の活性な金属の溶接が容易
- NC機構により複雑な溶接線にも対応でき、結果の再現や量産に対応
製作事例
人工衛星用燃料タンク ― チタン合金製
ILC用 高電界加速空洞 ― ニオブ製
溶接ビードサンプル
保有装置